連載 ことば
ゆとり
都留 春夫
1
1聖路加看護大学大学院
pp.84-85
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900334
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先頃,日常的な生活のリズムがくずれ,気分の落着きを失いそうになったので,数日間の休みを利用して,ゆとりの旅をした.まず東京を離れるに当り,空の旅でなら2時間足らずですむところを,15時間かけて夜行高速バスに乗ることにした.そのあと,九州から四国を回り帰京するまで,乗物やホテルの予定を立てず,その時その時に次のステップを決めていった.
ずいぶん気ままな旅にすることはできたものの,ほんとうにこころゆくまでゆとりを味わえたかというとそうでもない.このあたり,にも,ゆとりがほしいと思いながらも,十分にゆとりを自分のものにし得ない現代人気質がひそんでいるかもしれないと思う.
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