連載 ニューヨーク人間模様・3
人当たりのよい歯医者
大竹 秀子
pp.256-257
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901179
- 有料閲覧
- 文献概要
歯医者に通っている。この先生,若いが腕は立つし,人当たりもよい。いいドクターにあたったと,とりあえず喜んではみたものの,一筋縄ではいかない御仁だということが,日増しにあきらかになってきた。
そとづらはいたってよいが,気難しくて辛辣な筆者は,人に世話されるのがいたく苦手だ。だから,美容院も病院も嫌い。自分の身体や心を人にゆだねることが下手だから,なじみの店,好きな教師,信頼できるお医者さんなどが,なかなかできない。気に入られたいくせに,疑り深い。水くさくて薄情,なつくまでに手間ひまかかる人間なのだ。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.