連載 カウンセリングの現場から・3
苦労アディクション
信田 さよ子
1
1原宿カウンセリングセンター
pp.254-255
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901178
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この原稿を書いているのは,1年中でいちばん原宿に若い男の子があふれる時期だ。1月早々からめぼしいショップ(店とかブティックなどとは言わない。念のため)ではバーゲンセールが始まり,開店前から長蛇の列だ。
私の職場はその名のとおり原宿にあり,明治通りからわずかに入った所なので,出勤時には否が応でもその列を横目で見ながら歩かなくてはならない。若い女性ならまだしも,全員男の子たちというのは,最初のころはやはり抵抗があった。「昔なら国会突入している年頃なのに」といかにも団塊のおばさんらしい義憤にかられたものだったが,今ではすっかり物わかりがよくなった。「きれいな男の子はいないだろうか」などと逆に観察して通りすぎたりしている。
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