今月の言葉
これでよいのか
pp.9
発行日 1954年9月1日
Published Date 1954/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200680
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先月の夜,ある民間放送へスイツチをいれると,2つか3つ歌をうたうと,即座に5,000円をだすことを行つている.聞いていると応募するのは青少年が多いようで,この人々が2〜3分歌つて,1,000円なり5,000円をもらつていることを聞いて,いろいろ考えさせられた.助産婦がこれだけの報酬をもらうには,妊娠中からさては分娩,産褥とどれだけ多くの苦労を重ねなければいけないことだろう.全国幾万の助産婦のうち,幾人が助産業務だけの收入で生計をたてている人があるだろうか.殆んど大部分は潜在失業の状態にあるのではないか.もしこれがほかの職業のように,これだけで生計してゆかなければならぬとすれば,大きい問題となつているにちがいない.このことは,もつと眞劍にとりあげなければならないことではないか.
現在は各方面において生活が苦しくなつてきており,まともに仂いても,生きることはなかなか困難になつてきた.
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