連載 ベスにふれて―病棟間交流がもたらしたもの・6
海外研修の意味
山下 満子
1
1東京大学医学部附属病院救急部
pp.58-62
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900899
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私の信念って何だろう
病棟単位とはいえ,海外研修に参加することは,私にとって興味がある反面,不安も大きかった.先に研修してきた病棟スタッフの報告会や,交流相手であるベス・イスラエル病院(当時)のナースの来日訪問などで,ある程度の情報は持っていたが,英語も十分にはできない上,自分の研修目的が明確化できず,私は「研修をやめます」と言いたかった.しかし,「行って,見て,その中で得られるものは大きい」と同僚に励まされ,準備も不十分なまま出発した.
ボストンに土曜日に到着し,翌日曜日は観光した.気持ちが落ち着いたのか,海外にいるという開放的な気分になり,月曜日にはゲストハウスから歩いてベスに向かった.しかし,写真で見慣れたベスの正面玄関を目前にし,あらためて「ついに来てしまった」と緊張した.
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