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海外だより
森島 侃一郎
pp.58-60
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201007
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粉乳にビタミンA及びD補充の可否
小児の日常ビタミンAの必要量は2000〜3000国際単位の間にある.そして正常の子供は其欠乏を充たすために牛乳から充分取つている.ビタミンAは耐熱性であつて牛乳を煮沸し或は乾燥しても変質せぬものである.しかしビタミンA欠乏を来たした子供は或る特種の疾病に罹つているか或は脂肪便をだすものに有り勝のものである.だから普通は牛乳で十分取られていると見てよい.
子供のビタミンDの必要量は之れも日常500〜1000国際単位の間にある.粉乳は1オンス(28g)中に280〜300単位は含んでいる.生の牛乳535cc(約3合弱)は56gの粉乳に相当するから之だけでも必要量は充たしている.勿論乳汁中のビタミンDはビタミンAより複雑しているが,兎に角十分といい得るのである.
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