元気の秘訣

　看護管理や院内教育についての講演や講義をした後，聞き手からの質問を受けるときに，「元気の秘訣」を尋ねられることが最近多い．本筋ではない問いにとまどいながら，真面目に答えを探す私である．

　5年前と比べれば，身体の不都合な部分は確実に増えている．「女性は60歳前後が気力体力ともに最も充実するんですつて」と物知り顔にいう友人の発言に狂喜したものの，具合のわるい箇所をあげつらえばきりがないのは事実である．加えてなにかと引き受ける役割も増えて，いっそう時間の制約を受けるようになっている．手近なリラックスタイムであった美容院通いがほとんどできなくなってしまった．役割がもたらすストレスだって身に余るほどである．「疲れていますね」と声をかけられることが増えても，一向に不思議ではない現状にいる．