連載 看護経済学―看護サービスの経済評価・8
医療経済からみた看護(2)―看護サービスの質と価格
安川 文朗
1
1(財)医療科学研究所
pp.582-586
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900527
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はじめに
前号で筆者は,看護技術の限界的,そして相対的な評価は,看護というきわめて多様な要素を包含した行為を,他の医療資源との客観的な比較において表わすという点で意味のあるものだと述べた.しかし,そのような経済的価値の測定は,"方法"としては合理的でも,現実の看護場面では何か説得力を持たないと感じられるかもしれない.
特に,前回もふれた看護サービスに対するわが国の診療報酬点数は,その順調な伸びにもかかわらず,看護専門職の目から見ると,看護サービスの重要性やナースという専門職の行なう技術に対する経済評価としては,いささか低いのではないかという疑問が,絶えず提起されている.
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