特集 抑制をしない看護
抑制の徹底廃止をめざして―ワークショップの活用から
齊藤 正身
1
1霞ヶ関南病院
pp.535-540
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900520
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はじめに
医療の世界は,人の命を預かる特別なものと同時に,多種多彩なライセンス集団が関わっているために,他の業界のマネジメントとは趣を異にすると言われるが,私はそうは思わない.医療行為やケアのマネジメントと業務のマネジメントを混在して考えている医療機関があまりに多く,たとえば個々の対象者(患者)側の状況や都合を理由に,業務上の問題や失敗に目を向けずに通り過ぎてきたことが,このような考え方を定着させた原因だと思われる.今後,規制緩和や保健・医療・福祉の再編成が押し進められ,他企業がどんどん医療界に参入してくる.そのような中で,医療機関が生き残っていくためには,医療サービスを提供する企業としての自覚が必要になってくることは,明白である.
今回の「抑制」に関する特集では,おそらく医療というカテゴリーの中で,医学的・哲学的,そして道徳的な内容が多くなると推測される.そこで,本稿では「抑制」に関する当院の取り組みを業務のマネジメント,リスクマネジメントという視点から紹介したいと思う.
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