フロントライン2000 老人看護
抑制をなくす現場実践—「抑制廃止宣言」から8か月の経過と現状
今井 秀子
1
,
木村 ゆかり
1
,
服部 紀美子
1
,
川村 薫
1
,
津田 徳子
1
,
中根 理江
2
,
中川 翼
3
1医療法人渓仁会定山渓病院看護部
2医療法人渓仁会定山渓病院リハ科
3医療法人渓仁会定山渓病院
pp.628-633
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903506
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はじめに
従来,高齢者の医療施設や福祉施設では,認知能力や身体機能が低下した高齢者を「点滴や栄養チューブを抜かないように」「車椅子から立ちあがったり,ずり落ちないように」などさまざまな理由でベッドや車椅子に抑制する(縛る)という行為が行なわれてきた.
当院でも過去には「事故防止のために抑制は必要なこと」として抑制が行なわれていた.全国的に抑制に対する関心が高まるなか,当院も抑制の事例検討を行ない,抑制廃止に取り組む方向で動き始めた.そして,1999年6月に札幌で開催された「老人の専門医療を考える会」主催の「抑制を考える」シンポジウムをきっかけとして,1999年7月29日院内で「抑制廃止宣言」を発表した.その結果,8か月が経過した本年3月のデータで,抑制の85%を除去することができた.
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