特集 後輩を育てる―臨床の教育的環境を整えよう
学生と関わって見えたこと―実習指導者となって自分はどう変わったか
宮城 恵里子
1
1健和会みさと健和病院
pp.785-789
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900417
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はじめに
当院で初めて臨地実習を受入れたのは,1992(平成4)年度である.学生を受入れることに対する現場でのとまどいは大きかった.「学生とどのように関わっていけばいいのか」「はたして教えられるようなことがあるのだろうか」「今の私たちの看護から学ぶことがあるのだろうか」など,スタッフの反応はさまざまであった.そのような状況の中で,実習指導者として歩き始めることになった.
まわりに先輩の指導者がいるわけでもない.現場での不安は,とりもなおさず私自身のものでもあった.しかし,「臨地実習は,臨床の現場を活性化する上で,よい機会になる」といわれており,期待する部分もあった.声高らかに自慢するほどのものはないが,さしてひどい看護をしているわけではない.自分たちが日頃行なっていることを,そのまま学生に見せればいい.教えようなどと気負わずに,同じ道を少し先に歩み始めた先輩として,看護を伝えられればいいのではないか.そういう思いで臨地実習に携わってきた.
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