連載 学生の目 教員のまなざし・6
私ならどう関わるか……。
横手 直美
1,2
1中部大学生命健康科学部保健看護学科
2前日本赤十字広島看護大学
pp.415,473
発行日 2011年6月25日
Published Date 2011/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101768
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助産診断学「褥婦のヘルス・アセスメント」の単元でOSCE(客観的臨床能力試験)を取り入れた演習中。褥婦役の女性はボランティアの協力者。学生は1週間前に課題シナリオを配付され,予習して臨んでいる。
助産師役の学生が検温に訪室すると,褥婦が暗い表情で椅子に座っている。学生は予習してきた問診事項をひとまず置き,腰を落として「どうなさったのですか?」……すると,褥婦役がぽつりぽつりと話し出す。学生は対象者が何か問題を抱えているということを察知し,ヘルス・アセスメントの優先順位を瞬時に変更できたのだ。きっと,内心は予定が狂って慌てているかもしれないが,ゆっくりと構え,褥婦役から授乳がうまくいかず,会陰部の縫合痛もつらいというネガティブな気持ちを聞くことができた。臨床実習では,こうした感受性や柔軟性がさらに求められる。
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