連載 人が成長する組織づくりの可能性を探る—海外の文献・事情をひも解きながら・6
組織の編成原理を見直すこと:オーナーシップの力—人間尊重の組織づくりの原則・1
嶋田 至
1,2
,
西川 耕平
2,3
1合同会社チーム経営
2OD Association in Japan(ODAJ)
3甲南大学 全学共通教育センター
pp.646-650
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
組織の変容を促す7つの原則
不確実な社会に対して画期的な策のないまま,旧いパラダイムで立ちすくむ官僚制の組織が数多く存在します。他方では,人の成長力を重視するパラダイムで,不確実な状況下でも着実に発展するヒューマノクラシーの組織も増えています。産業革命以来の旧いパラダイムから新たな現実に対応するパラダイムでつくられる組織・社会に移行する渦中に,私たちは生活しているのです。残念ながら,官僚制に基づく組織・社会においては成功体験の蓄積があるため,視点を切り替えるのは大きな挑戦だと思われます。新しい視点のもとで組織を再編するためには,どんな条件や要因が求められるでしょうか註1。
新しい視点に立つゲイリー・ハメルの『ヒューマノクラシー』1)では,表に記したような,組織の変容を促す7つの原則を指摘しています。そしてこれらの力学を支えるものが「応用実践技法よりも基本的な原理(Principles over Practices)」という組織づくりに対する態度です。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.