特集 これからの看護教育と病院
これからの病院と看護教育のあり方
井部 俊子
1
,
奥 裕美
2
1聖路加看護大学
2聖路加看護大学大学院
キーワード:
少子高齢社会
,
人口減少社会
,
地域包括ケア
,
看護学生の多様化
,
これからの看護教育
Keyword:
少子高齢社会
,
人口減少社会
,
地域包括ケア
,
看護学生の多様化
,
これからの看護教育
pp.346-350
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102514
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これからの看護教育を考えるにあたり私(井部)にとって原点となる2つのことがらがある.1つはフランスの病院での体験である.2004年に医療安全を確保するためにどのような看護体制をとっているかを視察しにパリの病院を訪れた.われわれ一行は,セーヌ河畔に位置する夕方のムラン・ミューロ病院にいた.看護学生が1人いたので看護教育について尋ねた.彼女は学校に入って手洗いなど基礎的なことを習うとすぐに臨床に出る.臨床のナースが先生のようなものであると言う.また分娩室で勤務していたベテランの助産師は,いつから独り立ちしたのかというわれわれの気弱な質問に,「卒業した翌日からよ」と言い,「学生の時にそのための準備をしてきたわけだから」と胸を張った1).
2つ目は,日本看護協会の調査報告である.新卒看護師の70%以上が「入職時1人でできる」と認識している技術が,看護基本技術103項目のうち4項目であったというデータである.それらは「基本的なベッドメーキング」「基本的なリネン交換」「呼吸・脈拍・体温・血圧を正しく測定」「身長・体重を正しく測定」であった(2002年 新卒看護師の『看護基本技術』に関する実態報告書)2).
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