徹底分析シリーズ 輸血合併症を回避しよう
異型輸血—必ずしも不適合輸血ではない
髙松 純樹
1
Junki TAKAMATSU
1
1日本赤十字社 東海北陸ブロック血液センター
pp.56-60
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201292
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輸血療法は,単に欠乏した成分もしくは機能不全の成分の補充にとどまらず,広く細胞療法へと発展し,現代医療にとって不可欠な治療法となっている。しかしながら,輸血療法はヒト由来の血液を投与するがゆえに,感染血液を媒介とした感染症や免疫学的副作用を根源的に排除することは困難である。中でも血液型(ここでは主として赤血球を指す)の不適合による免疫反応は重篤な結果をまねくことが多く,時には死に至ることがある。
本稿では,輸血における適合性とは何か,異型輸血と不適合輸血とは何かなど,日常臨床において誤解されやすい点について概説する。内容的には一部他稿と重複することがある。
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