連載 専門看護師の臨床推論・7
残された時間のコーディネーション
長谷川 久巳
1
,
大生 定義
2
,
井部 俊子
3
1国家公務員共済組合連合会 虎の門病院
2立教大学
3聖路加看護大学
pp.582-585
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102487
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がん治療が長期化し,治療関連の症状と病状進行による症状が混在し,患者の状態のアップダウンが激しくなっている。患者は常に死までの自分に残された時間を考え,体調変化からその時間を間近に感じたり,遠ざけたりしながら揺れ動き,さまざまな苦痛・苦悩を表現する。医療者が目の前の患者の症状や表現にとらわれていると,客観的視点を見失い,患者の思いに近づけないばかりか,無力感のみが残ることになる。客観的に病状変化や予後を予測し,治療やケアの方向性を定めていくことは,患者がその人らしい最期の時間を過ごせるよう支援するうえで重要である。
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