特集 これまでの保健婦活動と地域ケア・コーディネーション
ケア・コーディネーションの行政的背景と保健婦のコーディネーション機能の向上
平野 かよ子
1
1厚生省健康政策局計画課保健指導室
pp.772-777
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901005
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はじめに
今日の健康問題は,在宅療養者の高齢化と慢性的な疾患の増加に伴い問題が長期にわたり,さまざまな生活上の困難を引き起こすという特徴があり,個別的で多様なサービスが求められる。これに応えるためには,保健サービスは福祉サービスなどと統合しサービスを提供することが必要となる。
このような健康問題の変化に対応することをねらいの1つとして,平成6年7月1日に地域保健法が公布され,同日施行された。この法律の制定に先駆け,公衆衛生審議会の総合部会に設けられた「地域保健基本問題研究会」において,今後の地域保健体制の骨子が検討されたが,そこでは,多様な住民のニーズに対応するサービスを,住民に身近な市町村において一元的に提供することが提言された。市町村はサービスを提供する各機関との調整を図り,個別性の高いサービスなどをコーディネートすることが重要な役割となる。そこで地域保健基本問題研究会の報告の中において,“ケア・コーディネーション”という言葉が用いられた。
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