書評
質的研究の基礎―グラウンデッド・セオリー開発の技法と手順 第3版
原田 博子
1
1九州大学大学院医学系学府看護学専攻
pp.578
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102483
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
研究の手順だけではなく,基本的な考え方を押さえていますか
「質的研究のアプローチの基礎をなす理論的土台の説明」が加わる
この本が私のもとに届いたのは,大学院生とともに第2版第4刷を読んでいる最中であった。それまで量的研究を学んできた者にとって,その書名から手を伸ばす機会がないと思っていた。さらに,質的研究は理解しにくいとか,教えてくれる人が近くにいないと困難だという話も聞いていた。
ところが,第2版第3章で,深く精緻化され,統合され,かつ総合的な理論を構築するためには,研究者はどのような方法論も操れるべきであり,忘れてはならないのは,方法論同士の真の相互作用なのだと著者は論じている。さらに,研究のデザインは,概念と同様に,研究プロセスのなかで浮上するようでなければならないとしている。これを読んで,私は「そうだったのか」と思わされたのみならず,第3版への興味が高まったのだった。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.