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―『質的研究の基礎 グラウンデッド・セオリー開発の技法と手順 第3版』―社会と個人の関係を探る手がかりとして
竹崎 久美子
1
1高知県立大学看護学部
pp.1109
発行日 2012年12月10日
Published Date 2012/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102038
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『質的研究の基礎』も版を重ねること第3版になります。2008年に改訂された本書がこれほど早く翻訳されるのは,本書がそれだけ質的な研究方法,なかでもグラウンデッド・セオリーに関する理論的背景や分析の実際について,そう始者の1人である故アンセルム・ストラウスが解説する数少ない著書であるからです。
質的研究方法というと,地域看護ではエスノグラフィやKJ法が有名だと思います。長い歴史に裏打ちされた「文化」や「風土」を探ることを目的とするエスノグラフィ,新たなものの見方を見出すべく,言葉を文脈から切り離して分類するKJ法,それぞれに方法論の特徴があります。その意味でグラウンデッド・セオリーはある特定の社会とそこで生きる個人との相互作用について探究することを目的とした研究方法論です。
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