連載 グループ・ダイナミックスへの招待 本当に病棟を変えたい人のために・7
個人主義の「かや」―見苦しい瞬間
杉万 俊夫
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1京都大学大学院人間・環境学研究科
pp.1208
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102298
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100年ちょっと前まで「個人」という言葉は,日本語にありませんでした。明治になって欧米から新しい学問が入ってくるようになり,日本語への翻訳が必要になりました。でも,どうしても訳せない言葉がいくつかありました。その一つが,「インディヴィデュアル」でした。
インディヴィデュアルとは,ある人間像のことでした。「人間とは,皮膚で囲まれた肉体である。その肉体の内部のどこかに心(あるいは頭)の世界をもっている。そして,心の中で考え判断して人間は行動する」……そんな人間のことがインディヴィデュアルでした。
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