連載 管理者のためのブック・セレクション・11
「組織」と「個人」を導く
安井 はるみ
1
1医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブ 看護部
pp.1209
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102299
- 販売していません
- 文献概要
振れ過ぎた振り子を正す
12年前の患者取り違え事故以来、看護管理者の医療安全に果たす役割は拡充している。その一方、過剰・過少な安全管理は、「振れ過ぎた振り子」になっている感は否めない。そのようななか、絶妙なタイミングで、改めて医療安全管理に対する取り組みを再考させ、これからの看護管理者の医療安全活動に必要な新たな視座を与えてくれる本が出版された。それが『組織事故とレジリエンス─人間は事故を起こすのか、危機を救うのか』である。
医療の現場に限らず、「生産性」と「安全性」を同時に高めることが求められる場面は多々あるが、生産性を追求しすぎれば安全性が低下し、安全性を追求すれば生産性が下がるなど、この2つの言葉は「トレードオフ」の関係という性質をもつ。生産性と安全性の間に存在し続けるこの「緊張」状況に看護管理者として「個人」と「集団」の両方の注意深さを高める具体的方法を提示している。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.