書評
―ケアと対人援助に活かす―瞑想療法
内木 美恵
1
1葛飾赤十字産院 看護部
pp.522
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102087
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心の平穏と癒しを導く実践の書
心のケアとしての活用
私は“瞑想”と聞くと宗教をイメージしてしまい,近づきがたい印象をもっていました。しかし,大学院在学中,親友からヨーガと共に勧められ,実践するうちにそのイメージは変わりました。暝想は心に平穏を取り戻し,自分の進む道に戻る心のケアの一つだといえます。
肉体的な病は痛みを伴い,出血などで他者にもわかりますが,心の病は,痛みはなく,他者にもわからず,自分自身でも自覚するまでに時間を要します。大学院在学当時の私が,課題に追われ自分自身を見失い,現実から逃げたいと思っていたように,現在私の周りでも,人間関係や,環境への不適応などで心の病を患う人が少なくありません。これは一部の組織に限ったことではなく,日本の多くの組織で問題になっています。
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