特集 看護教育と代替/補完療法―臨床・教育でどう実践されているか
瞑想
川出 富貴子
1
1三重県立看護大学
pp.656-660
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903841
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東洋には古くから瞑想として,伝統的なヨガや座禅がある.瞑想は数千年にわたる歴史をもっており,東洋の心理学において,瞑想療法,研究手段,知覚の訓練法として概念化されこれまで中心的な役割を演じてきた1).この瞑想が現代の西洋社会に浸透し,この潮流は日本にも広がり始めている2).
西洋の心理学の歴史は浅く,1世紀ほどであるが,その短い歴史の中で瞑想は急速に進歩し,世界で1,350以上にものぼる瞑想に関連した学術的研究論文が発表されている1,2)(1988年).西洋での瞑想研究の高まりは,瞑想がもたらす血圧の下降などの臨床的効果に対する注目からはじまったともいわれ,今日,最も知られている瞑想システムは,1958年マハリシによって紹介された超越瞑想「Transcendental Meditation・TM」である1,3).TMは現代人への癒しの瞑想法として,古代インドの瞑想の神髄を現代化して集団指導に応用したものであり4),現在500万人以上の人が行っているといわれている3).川出の場合はリラクセーション技法としてTMに出会い,十数年前から実施しており,日々リラクセーション効果を体感している.授業では基礎看護方法の中でケーススタディとしてリラクセーションに関する援助内容を考え,適切な方法を判断し適応することとしているが,残念ながら積極的に瞑想を取り入れるまでには至っていない.
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