連載 患者の目線 医療“関係者”が患者・家族になって・1【新連載】
骨折治療中の“ガマンしがたい痒み”へのナースの眼差し―ギプス外来でのひとコマ
村上 紀美子
pp.328-329
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102020
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新シリーズを始めるにあたって
「医療の主人公は患者さん」であり,これを実現させるためには「患者さんの本当の言葉を聴くことが必要」ということは,医療人なら誰でも知っています。
しかし実際には,無意識のうちにブレーキが働き,患者さんの話を聴けない現状もありそうです。相手を傷つけたり,怒らせたら大変。深入りし過ぎても失礼かな? 話を聞いたら解決しないといけない気がする。しかし,そんな責任はもてない。個人情報の扱いも気をつけなければ……。患者さん同士で不公平に思われないかも心配。何より,患者さんの話を聴き出すと長くなってしまい,予定の業務が終わらない。
こんないろいろなブレーキがかかって,“患者さんの話を気軽に聴く”というわけにはいかなくなっているのではないでしょうか。それなら,誌上で,実際に体験した人の率直な言葉を聴いてみよう! これが本シリーズの趣旨です。それも〈患者・家族としての本音〉と〈医療者のおかれている諸事情〉の両側面が分かる医療“関係者”に,順次登場していただきます。
このシリーズが,読者諸氏の心のブレーキをゆるめて,患者さんと“生活の言葉”で率直に話し合うきっかけになることを,祈りつつ……。
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