グラフ
―光りのなかの1コマ―ともに、よい一日を
原 京一
,
天方 晴子
pp.1003-1005
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902402
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―季節の変わり目は突然やってくる.たとえば,秋から冬に季節が変わるとき,ある日ふっと冬のにおいを感じることがある.これは気配というよりも,やはりにおいである.ちょうど雨の降り始める前に,雨のにおいを感じるように.その印象も一瞬のことであって,知らないうちに冬に突入している.冬の冷たい空気の中で,太陽の光ほどうれしいものはない.太陽が照っているだけで,景色が暖かく見える.みな,光りのなかでうれしそうだ.―
遺されたメモに私の思いをつなげてみた.
「何かから解放されたとき,広い景色の中におかれたとき,ひとは自然にそれを受けとめ,自由に感じるままに,そのここちよさを思い思いに表現する.そんな姿をみていると,こちらまで晴れ晴れした気分になり,気がついたらパシャパシャとシャッターを押していた.目もこころも暖かくなり,そのうえいい写真も撮れた.なんていい1日だったんだろうと思う.それが私にとってもっともしあわせのときだ」と.
ずっと先のことと思っていた新しい千年紀がすぐそこにきている.
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