ポイント
越えがたきミゾに立ちて
二木 シズヱ
1
1一宮市市立市民病院看護部
pp.101
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913600
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今年になって私は,アメリカの恩師友人から新しい看護教本を数冊,誕生日の贈物としていただいた。忙がしい整備されない雑用においまくられながら,その余暇をぬって,看護業務が確立され,なお前進をつづけている国の教本を手にする機会にめぐまれたそのひとときは夢の看護の国への逃避であり,3年間の海外生活をつうじて知った。アメリカ看護への追憶の時間ででもあった。
30〜40年かかって,地道な研究と努力と先駆者のイバラの道を経て生れでたこれらの教本は,看護が生活の中より生れ,生活の中にとけこみ,最善の生活の方法が看護をつみ上げ,改善されながら今日にいたったものである。その看護のあり方は,国民生活の中に溶けこんでいるが,さらにとけこんでゆこうとする国民一丸となっての,高度な人間生活向上の大運動を含む基準の高いものだ。
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