特別記事
[座談会]医療関連感染症の発生ゼロに向け,感染対策を再考する―構造の評価から,プロセス-アウトカム評価のステージへ[後編]
坂本 史衣
1
,
操 華子
2
,
Georgia P. Dash
3,4
,
大曲 貴夫
5
1聖路加国際病院医療安全管理室
2国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻看護学分野感染管理・感染看護学領域
3Cape Cod Healthcare
42002年度APIC(米国感染管理疫学専門家協会)
5静岡県立静岡がんセンター感染症内科部
pp.1176-1182
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101908
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前号に引き続き,日米の感染制御の専門家による座談会の後編。
医療・看護行為におけるプロセス-アウトカム評価が当然となっている米国に比べ,日本はまだストラクチャー(構造)の評価に留まっている感がある。米国の保険制度では,標準的でない医療には報酬が支払われないP4Pが導入され,各病院は利益率を悪化させないためにもケアプロセスを重視している。
大きな経済的インパクトが期待できないわが国の医療施設が,ケアプロセスの向上に取り組むモチベーションとは何か。
また,米国では専門家の層の厚さとネットワークに加え,情報共有や臨床研究,スタッフ教育に活用できるウェブによるプラットフォームが整備されている。
米国という先達の取り組みから,わが国の感染対策をさらにブラッシュアップするための方策を,ご議論いただいた。
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