増刊号 実践に活かすアドバンス・ケア・プランニング
第Ⅰ章 ACPを理解する
ACPのアウトカムとその評価
森 雅紀
1
1聖隷三方原病院緩和支持治療科
pp.110-114
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_110
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はじめに
過去数十年間にわたり膨大なACPの臨床や研究が行われ,数多くの評価が試みられた.しかし,何を評価すればよいのかについて,長らく標準化されたものがなかった.ACPによる患者中心の最重要アウトカムは何か.それに関する共通認識がないと,そもそも介入間の効果の比較ができず,何が最適なACP介入かについての検討が困難になる.
2017年に,欧米から2件の国際的な合意形成研究(デルファイ研究)の結果が発表された1,2).具体的な尺度自体は確立していない項目がほとんどであるため,アウトカムになりうる概念的な項目が整理された.本稿ではこれら2件のデルファイ研究の知見をもとに,ACPの実践をどのようなアウトカムで評価しうるかについて検討する.
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