特別記事
鎮静ガイドライン改訂から考える一般急性期病院での緩和ケア―北野病院の取り組みから
鎗野 りか
1,2
1財団法人田附興風会医学研究所北野病院
2日本緩和医療学会 苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン改訂作業部会
pp.1084-1087
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101889
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はじめに
●2010年『苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン』改訂
2004(平成16)年に,厚生労働省厚生科学研究「がん医療における緩和医療及び精神腫瘍学のあり方と普及に関する研究」班の協力を得て,『苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン』(以下,本ガイドライン)が作成された。
本ガイドラインは翌2005(平成17)年の日本緩和医療学会による承認以来,緩和ケア病棟を中心に,緩和医療に関わる,または専門とする医師たちによって活用されてきた。
しかしながら,緩和医療の一般的認知度の高まりや医療技術の進歩など,諸環境の変化に伴い,臨床の現状により則したガイドラインが必要になってきた。そこで2010(平成22)年,医師や看護師が鎮静(セデーション)――苦痛緩和のための持続的深い鎮静――を適切に行ない,患者へより質の高いケアを提供するために,本ガイドラインの改訂が行なわれた(表1)。
本稿では,今回の改訂に際し評価委員として関わった看護管理者の立場から,ガイドラインの利用者拡大など,今回の改訂ポイントを概説し,緩和医療を熟知していないスタッフが多くいるであろう一般急性期病院(以下,急性期病院)で,改訂ガイドラインをどのように理解し,活用していくかについて筆者が所属する北野病院(以下,当院)を例に考察していきたい。
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