特別寄稿
緩和ケアと一般病院の対応
武田 文和
1
1埼玉県立がんセンター
pp.971-975
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901938
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はじめに
今回の寄稿について編集室から,一般病院が緩和ケアの導入にどう対応したらよいのかとの課題をいただいたと受け止めている.
私が働く埼玉県立がんセンターは,専用の緩和ケア病棟(いわゆるホスピス病棟)を持っていないが,病院全体で緩和ケアマインドのがん医療を実践している.がん専門病院であることが,一般の病院よりも早く緩和ケアの考え方を導入することに有利であったかも知れない.しかし,どの病院においてもがん患者の受診率が高くなっており,一般病院にもがん専門病院にも同じ社会の住民が受診しており,その社会にはがんであるか否かにかかわらず,患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を向上させる緩和ケアへのニーズが高まっている.筆者のがんセンターがこのニーズに対応してきた経緯を紹介し,がん緩和ケア導入への対応を考えてみたい.
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