増刊号特集III 看護をどう評価するか
看護における評価に関する研究
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野
pp.742-745
発行日 2010年7月26日
Published Date 2010/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101811
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医療に幽霊が出る――効率主義という幽霊である。有名なマニフェストの冒頭の一節をもじってみた註)。どうあらがっても,医療は聖域ではなくなり,いろいろな制度・体制が持ち込まれ,変化を余儀なくされている。インプットには市場原理,アウトプットには効率主義,アウトカムには成果主義というように,医療を提供する者にとって環境はどんどん厳しくなっている。
増大する医療費に対応するために効率性が唱えられ,医療の変革が加速している。資源消費の抑制が求められるなかでは,非効率的なサービスの提供は容認されない。また,人々のヘルスリテラシーの向上に伴い,顧客重視のサービス提供が経営上の重要課題となっている。医療における技術革新は新たに多くの人々の命を救うことを可能にしてきたが,一方では,医療の安全に対する信頼が大きく揺らいでいる。
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