特集 看護の質を評価する試み
看護の質を評価する試み—与薬ミスに焦点をあてたアプローチ
舞床 三枝子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学医学部基礎看護学教室
pp.122-125
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904463
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「看護の質の評価」については「構造」「プロセス」「結果」の3つの視点からのアプローチがありますが,日本においては,看護婦の数・構成・特性などから評価しようという,構造面の評価が主流です.患者あたりの看護要員の人数とその構成比で,健康保険診療報酬の看護料を決めている基準看護もこれに該当します.一方,「看護のプロセスや結果」から看護の質を評価し,質保証につながる業務環境の整備を行なおうとする研究は少なく,未開発の分野です.
そこで,川島らの研究1)2)を参考に,看護の質を「患者の安全の確保」と「患者の安楽の確保」の2つの視点から考えてみることにします.看護の質の保証において,両者は必要不可欠の条件ですが,「患者の安楽の確保」については「必要」と「贅沢」の境界が個人の価値観によって大きく異なるので,一律に明確な規準を定めるのは難しいです.しかし,「患者の安全の確保」に関しては明確です.
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