書評
活用しやすいコンピテンシー評価の手引き書
菅田 勝也
1,2
1藍野大学医療保健学部
2日本看護評価学会
pp.51
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100872
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コンピテンシーとは,「高業績者の行動特性」を示す能力概念として1970年代に提唱され,組織の人材マネジメントに実用化されたものである。本書は,このコンピテンシーの概念を基盤として,看護管理者に求められる能力を職位のレベル別に定義し,選任や育成のためのフィードバックに活用している,虎の門病院看護部の取り組みである。モデル開発のプロセスから実際のモデルの内容,運用方法まで具体的に紹介されている。
看護管理者が役割を遂行するために必要な能力は多岐にわたるため,知識・技術のレベルであげようとすると,どこまで細分化したらよいのか,どこまで詳細に表現したらよいのか迷うのではないだろうか。本書で紹介されるコンピテンシー・モデルを活用することで,看護管理者の能力の定義と評価において,コンピテンシーを発揮する実際の行動と,それによる成果の生成という軸が与えられる。
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