増刊号特集I 2010年度診療報酬改定から何を読みとるか
患者評価の目的と評価体制の基本的考え方
筒井 孝子
1
1国立保健医療科学院福祉サービス部福祉マネジメント室
pp.710-716
発行日 2010年7月26日
Published Date 2010/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101804
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はじめに
2010(平成22)年度診療報酬改定では,改定率は昨年末の予算編成過程で決定し,全体が0.19%引き上げで,10年ぶりのネット(全体)でのプラス改定となった。このうち,診療報酬本体部分は,1.55%(医療費ベース約5700億円)の引き上げ,薬価等は1.36%(同約5000億円)の引き下げで,本体のうち,医科は1.74%(同約4800億円),歯科2.09%(同600億円),調剤0.52%(同約300億円)の引き上げとなった。また,医科の内訳として,入院3.03%(約4400億円),入院外0.31%(同約400億円)の引き上げが示され,急性期入院医療におおむね4000億円を配分することが大臣折衝で決まった1)。
特に救急,産科などを中心とした急性期医療については,病院・診療所の医師の連携による救急外来の評価として,地域連携夜間・休日診療料100点を新設するとともに病院勤務医の負担軽減への取り組みに対する評価では,7対1,10対1病棟での看護補助加算を新たに設けた。
この急性期の入院医療を担う7対1入院基本料および 10対1入院基本料については,多職種連携による勤務医の負担軽減を図る観点から,7対1,10対1入院基本料での看護補助者配置による加算を算定できなかった体制を改め,急性期看護補助体制加算1(50対1配置)を120点,同2(75対1配置)を80点として新設し,7対1,10対1入院基本料でも14日間を限度に算定可能にした。
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