Japanese
English
特集 介護予防をめぐって
介護予防事業の基本的な考え方とその評価―今後の課題
Aims and evaluation of disability prevention.
安村 誠司
1
Seiji Yasumura
1
1福島県立医科大学公衆衛生学講座
1Department of Public Health, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
政策評価
,
新予防給付
,
地域支援事業
,
閉じこもり
Keyword:
政策評価
,
新予防給付
,
地域支援事業
,
閉じこもり
pp.1021-1026
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100405
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はじめに
家族に過重な負担が強いられていた状況から,「要介護者は社会全体で支える」という考え方に立った介護保険制度に対してはさまざまな批判があったが,2000年に導入された.戦後最大の制度改革といってもよい新制度の導入は,当初は混乱がなかったわけではないが,基本的な枠組みの変更なく全国一律の制度は円滑にスタートし,1年でほぼ完全に定着した.このことは,日本の市町村のシステムがきわめてレベルが高いことを示している.国の命令一下,全国で展開されるという中央集権的システムは,地域の特色や独自性を尊重しない可能性もないわけでなく,全国一律のシステムを地域特性に合った事業としていかに実施していくかが重要である.
制度導入後,さまざまな問題が明らかになり,5年を経て改正されることとなった.本稿では,筆者が主任研究者として関わった厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業)「介護予防事業の有効性の評価とガイドラインの作成」1)における研究成果も踏まえ,介護保険制度の改正の柱とも言える介護予防事業の基本的な考え方を概説する.とくに,介護予防事業を行ううえでもっとも重要な視点である評価の考え方と,今後の課題について述べる.
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