増刊号特集I 2010年度診療報酬改定から何を読みとるか
[インタビュー]今改定は精神科医療の底上げになったのか
末安 民生
1
,
奥村 元子
2
1慶應義塾大学看護医療学部
2日本看護協会専門職支援・中央ナースセンター事業部
pp.702-709
発行日 2010年7月26日
Published Date 2010/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101803
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【精神病棟入院基本料】
13対1入院基本料
平均在院日数80日以内がネック
末安 今回の診療報酬で,精神科関連での注目は,精神病棟13対1入院基本料(920点)が入ったことです。すでに13対1ぐらいの人員を配置している病院にとって朗報でした。充実した看護を提供するために,病院予算の持ち出しによって人員を確保していたものが,やっと認められたからです。
ところが,算定要件の1つに平均在院日数80日以内がついたために,単科の精神科病院のほとんどが取得できなくなりました(図1)。喜んだだけに落胆も大きいものがありました。なぜそのような落胆を招いたのか。これには現在の精神科医療のさまざまな問題を少し説明しなくてはならないでしょう。
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