特別記事
能登半島地震の被災地から―「もしも……」が現実になって
中村 悦子
1
1輪島市立輪島病院地域医療連携室
pp.578-581
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100852
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2007年3月25日(日),午前9時42分。私は石川県歯科医師会が主催する口腔ケアのセミナーに参加するために,地元から100km近く離れた石川県立看護大学にいた。駐車場に車を止めて数歩歩いたところで体が大きく揺れ,周りから小さな悲鳴が聞こえた。地震だとすぐに気づいたが,特に建物にも影響がなさそうだったので大学構内に入った。
その途端に電話が鳴った。「今の地震ですが,輪島で震度6と聞きました。被災状況等はいかがですか」と,在宅酸素メーカーの担当者からであった。その情報に,私は車に引き返し,さっき走ってきたばかりの道をたどって輪島に向かった。
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