日本列島
健康づくり奥能登サミット
鏡森 定信
1
1富山医科薬科大学保健医学
pp.279
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207248
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富山
昭和60年7月5日,奥能登・珠洲市において,"21世紀への健康づくりのために"のテーマのもと地域保健連携対策総合保健会議が開催された.私はこの会議の助言者として出席したため,金沢から約4時間,急行列車と普通列車を乗り継いで会場となる珠洲保健所のある能登鵜飼駅に到着した。さて当日の会議は珠洲保健所管内(1市1町,人口約4万,1総合病院,15診療所)の市長,町長といった自治体の頭首に総合病院長,医師会長ならびに保健所長も加えてパネルディスカッション形式で行われた,フロアーには市町村や保健所の保健婦,栄養士などの専門職,関連部門の事務系の課長や係長,そして医師会の先生方が参加し,まさに健康づくり奥能登サミットの様相を呈するものであった.
自治体の頭首の意向は住民のニーズとは別な意味で,保健事業の推進に影響を与えることから,行政にあって本事業に携わる者にとっては,頭首との意志の疎通に努め,基本的な理解を固めておくことはきわめて重要である.といってもこの会議は,担当者が頭首の考えを聴くためにお膳だてした単なる会議ではなかった.珠洲保健所管内で健康づくりを進めていくにあたっての現状把握,問題点の抽出,目標の設定が保健所や市町村の担当者による各層の会議を通じて整理されてきており,頭首は担当者である部下からそれらについてあらかじめヒアリングをすませて出席していた.
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