特集 よりよい現任教育システムの構築をめざして
上手な振り返り,やる気を引き出すかかわりとは―医学教育の現場から
名郷 直樹
1,2
1東京北社会保険病院臨床研修センター
2公益社団法人地域医療振興協会地域医療研修センター
pp.312-314
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101717
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技術モデルから離れて
研修とは技術を身に付けることではない。技術は学ぶべきことの一要素に過ぎない。その技術を適正に適用するアプローチ法も,同様に重要である。さらには,そもそも何が適正なのかを判断できるような基盤が必要である。その3つがかみ合って,初めてプロの仕事が可能となる。
技術のみを学んだものがどんな恐ろしいことをするのか,1つの例を見てみよう。ナチスの収容所で働く産婦人科医は,技術的には当時の最高の技術で,収容されたユダヤ人妊婦から子どもを安全にとりあげた。しかし,その妊婦と新生児は,そのあとガス室へ送られて殺されてしまうのである。
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