連載 ビジョナリーホスピタル――将来の医療を見据えて・1【新連載】
[座談会]地域医療振興協会 われわれ医療人のサービスで患者を満足させる
吉新 通康
1
,
川合 榮子
2
,
又木 満理
3
,
宇都宮 昌江
4
1公益社団法人地域医療振興協会
2台東区立台東病院看護・介護部統轄部
3東京北社会保険病院看護部
4公立丹南病院看護部
pp.1-5
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101648
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全国42の医療機関・施設を運営する地域医療振興協会は自治医科大学の卒業生が中心となって設立され,医療過疎地域を中心に地域医療に貢献している。医療提供体制の崩壊の危機に瀕するいま,地域医療の将来を見据えて,同協会がどのような医療を提供していくのか,現行制度の問題提起も交えて話をうかがった。
地域医療振興協会と運営各施設の現状
――地域医療振興協会の沿革,皆さまの現在の取り組みについてお話しください。
吉新 私は,1972(昭和47)年に誕生した自治医大の1期生で,1978(昭和53)年に医師になりました。当時,全国に医科大学は40校ぐらいしかありませんでした。また医師数は人口10万対120人程度だったと思います。現在は206人とほぼ2倍になっています。
1960年代後半から急激な経済成長が起こりました。それ以前は,医療や介護は贅沢品でしたが,田中角栄元首相による“列島改造論”を背景に,医科大学を各県に1校つくることになり,まずは自治体の医師を確保しようということで,全国知事会で自治医科大学創設の構想を行なったのです。
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