トピックス 愛媛県南宇和郡愛南町(なんぐん)に注目
1.障害者と共に地域振興
白柿 綾
1
1日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士課程
pp.77-85
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100671
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日本中から熱い注目を浴びる町
愛媛県の最南端に、ユニークな精神保健医療福祉の取り組みをしている町があると聞いて訪れた。そこは、愛媛県南宇和郡愛南町(旧・御荘町)。黒潮の碧い内海を囲む緑の山々に抱かれたこの町は、リアス式海岸が眼前に広がる自然豊かな景勝地である。しかし最寄の鉄道駅までは車で1時間、高齢化率30%の過疎地でもあり、日本中のローカルエリアに共通する人口減と産業不振はこの町でも深刻である。地元産業の柑橘農業、養殖、海産業は低迷し、町から人と働く場が消えていこうとしている。
このような社会状況のなか、愛南町には「街づくり」を楽しんでいる人々がいる。NPO法人「ハートinハート なんぐん市場」という、障害者とともに地域振興を行う人びとのグループである。「なんぐん」とは、平成16年に南宇和郡の5か町村が合併して生まれた愛南町の愛称である。ここ「なんぐん」で「障害のある人もない人も共に暮らし、共に働く」ことを目指して取り組まれているその活動は、今や精神保健医療福祉分野のみならず、日本中から熱い注目を浴びている。
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