増刊号特集 行動する看護師長 これからの臨床看護マネジメントの実践
―リーダーシップを図る―看護師長の役割と業務遂行の視点―楽しく充実した仕事をするために
川村 良子
1,2,3
1山形県看護協会
2前・済生会山形済生病院
3前・済生会山形済生病院看護部
pp.672-678
発行日 2009年7月26日
Published Date 2009/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101533
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はじめに
元来,看護師長は中間管理者として,各看護単位の運営が主たる役割であり業務である。すなわち,各看護単位のスタッフ,患者および家族,他部門などとの関わり,安全にかつよい医療の提供を行なうために,最大限に効率のよい,適正な医療に向けて,看護職として,チーム医療の提供に向けてリーダーシップをとることである。
しかし,ここに来て各看護単位の運営が変化しつつあるように感じている。極端な言い方をすれば,「ただ,純粋に患者のために」から,「病院経営を念頭に置きながら,患者のために」が求められてきているからである。
そのために,職務満足度の向上に努め,それを,患者満足度の向上へつなげていくための努力と創意工夫,そして,いま何が求められているかを察知し対応できる能力が日々求められている。
反面,看護師長は自分の看護単位をどのような色にでも染めていける立場にある。それには,しっかりとしたエビデンスのもとに発言し行動することが要求されてくる。患者と家族の声,スタッフの声,他職種の声を謙虚に聴く態度が必要であり,病院の運営方針を知り末端まで周知徹底することを考慮し,かつ,いま中間管理者が身につけておかなければならない社会的常識や医療情報を自主的に学んでいくことなどが当然必要になってくる。
なぜなら,看護単位の責任者である看護師長によって病院経営の基礎は成り立っていると言っても過言ではないからである。そして,そのことを看護師長は十分に認識しておいてほしい。
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