増刊号特集 行動する看護師長 これからの臨床看護マネジメントの実践
―スペシャリストとして働く―役職任期制でめざすことと人事考課制度の何が大事か
松月 みどり
1
1北野病院看護部
pp.668-671
発行日 2009年7月26日
Published Date 2009/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101532
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病院の人事考課制度
●適正管理と維持
人事考課制度の適正管理と維持に最も重要なポイントは,上司による考課結果が部下や同僚など,病院職員に納得の得られるものであることである。そのためのポイントは3つある。
(1)考課結果による給与額の変動の仕組みと個人個人の考課結果による差が,病院職員に十分理解できている。
(2)考課者トレーニングを定期的に行ない,上司の感情やハロー効果などに左右されない公明で適正な考課結果にする。もちろん,甘い上司と厳しい上司による部下の不利益を適正化する評価結果のデータ処理機能をもつ。
(3)保守的で横並び意識が強い日本人の風土に配慮して,人材育成を目的とした考課結果のフィードバックをする。
さらに,考課の対象となった期間中の事実を共通認識するためにも,結果を上司が部下に適切に伝えるコミュニケーションスキルと,日常からの信頼関係の構築が必要である。上司が部下に期待する内容を明確に伝え,部下も自己目標にどう落とし込んでいくかなど,1人ひとりに合わせたきめ細かな配慮が重要である。
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