特集 高度看護実践者の技能と教育的効果 日本赤十字社のキャリア開発ラダーレベルV認定の成果から
日本赤十字社のキャリア開発ラダーレベルVにみる看護実践とその評価―高度看護実践者の活用と効果
藤田 冬子
1
1長浜赤十字病院
pp.396-401
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101472
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レベルⅤを受けようと思うまで
2006(平成18)年より日本赤十字医療施設では各施設が順次,赤十字独自の看護実践能力向上のためのキャリア開発ラダー(以下,ラダー)を導入している。このラダーは看護実践者を対象にしており,その修得段階はレベルⅠ~Ⅴであり,特にレベルⅣを認定看護師相当,レベルⅤを専門看護師(以下,CNS),高度看護実践者相当としている。筆者は,この看護実践者のためのラダー導入と定着において所属組織内外でも関わってきた。したがってこのシステムが赤十字医療施設の中で浸透していくためにも,レベルⅤを誕生させておき,ぜひともCNSが取得しておく必要性を感じていた。
筆者は老人看護CNSとして8年目を迎えており,その全ての期間を長浜赤十字病院で活動してきた。その具体的な活動の中で,CNSの6つの役割を遂行する際に,常に「高齢者ケアを行なえる実践環境を整えること」に取り組まないと,この病院の高齢者ケアを改善に導きがたいことに気づきはじめていた。そこにタイミングよく,病院機能評価の受審,褥瘡対策未実施減算,在院日数の短縮化,栄養管理加算,といった病院運営・診療報酬に関わるような波が次々とやってきた。当然,この波にCNSとして乗りつつ,組織横断的に軽いフットワークと柔軟さで,さまざまなシステム構築,それらを動かせるチームをつくり協働すること,そして高齢者ケアがわかり実践できるケア提供者らの人材育成を行なってきた1-5)。その詳細はこの後,執筆者たちの原稿を参照されたい。
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