特集 病院と経営主体
問い直される設立目的
日本赤十字社病院
遠藤 保喜
1
1日本赤十字社本社衛生部
pp.21-23
発行日 1978年1月1日
Published Date 1978/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206413
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沿革と現状の概要
時代の推移と社会経済環境の変化は,病院経営にも大きな影響を及ぼすものであるが,とくに永い歴史を有する病院の場合はその度合も大きく,設立目的にもかなりの変化を来すことは避け難いのではないかと思われる.創設以来90年余の歳月を経過している赤十字病院は,その意味での影響を多分に受けている好例であろう.
赤十字病院が,どのような目的で設立されて今日に至っているのか.それには大平洋戦争の敗戦という,わが国の歴史上最大の転機をはさんだ,戦前,戦中,戦後にわたる,永い赤十字病院の歴史に触れねばならない.赤十字病院の歴史は明治19年7月,時の博愛社病院の設立に始まっている.博愛社病院は,赤十字社の前身である博愛社が設立したものであるが,明治20年に博愛社が日本赤十字社となったことに伴い,赤十字社病院となり,さらに日本赤十字社中央病院を経て,現在の日本赤十字社医療センターとなっているのである.
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