連載 日本看護婦物語補遺・1【新連載】
日本赤十字社看護婦養成所
高橋 政子
,
土曜会歴史部会
pp.32-40
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916172
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はじめに:昭和43年から44年にかけての1年間,私たちは「日本の近代看護創生期の人びと」と題して,すでに明治10年代において新しい職業婦人の養成に手をつけた慈恵,同志社,桜井,東大の各看護婦養成所のあり方と,その初期の卒業生を中心に「日本看護婦物語」を本誌に連載してきた。
そして明治23年にはじまった日赤の養成については,①そのなりたちと目的があまりにも特殊であること,②創設が時期的にズレること,いいかえれば明治10年代と20年代*では,当時の社会的背景に一線を画すほどの大きな変化があり,これを同じように並べて考えてゆくことに大きなためらいを感じたこと,③そのうえ,日赤の資料は他に比べて大変豊富であり,すでに幾多の著書もうまれ,新しく堀りおこすこともないと思われた半面,これにひとたび触れるとなると実に大仕事になってしまい,スペースの面から,また当時私たちの置かれていた条件から,その歴史と四つに取り組めそうにない危惧があったこと,以上のために,日赤の養成に関してはまたの機会に——という方針をとってしまった。
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