特集 高度看護実践者の技能と教育的効果 日本赤十字社のキャリア開発ラダーレベルV認定の成果から
看護部のトップとして高度看護実践者をどう活用し,育成の場を築き上げていくか―看護管理者の役割
井川 玲子
1
1長浜赤十字病院
pp.402
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101473
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
専門看護師(以下,CNS)は,「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人,家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための,特定の専門看護分野の知識及び技術を深め,保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかる」と定義され,その役割として「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の6つがあるとされている。日本看護協会によると,2009(平成21)年4月現在,全国でCNSは302名認定されており,その活躍の領域は,がん看護,精神看護,老人看護などをはじめとした10分野が認められている。
長浜赤十字病院(以下,当院)の老人看護CNSは,2002(平成14)年に国内で初の老人看護CNSの認定を受けており,専門領域はもとより全CNSの先駆者としてリーダー的な存在である。看護部長直属のスタッフとして,組織内を横断的に活動している。また,栄養サポートチームや看護ケアの質評価委員会をはじめとした複数の委員会活動を行なうなかで,老人看護に関連したさまざまなケアに関する事項の解決や仕組みづくり,より質の高いケアを支える基本的な考え方を看護職はもちろん他職種にも提案している。その信頼は厚く,当院の医療・看護の質向上への貢献度は高い。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.