連載 医者ときどき看護師・12
産婦人科医,はじめます
平林 大輔
1
1(社)地域医療振興協会・東京北社会保険病院
pp.1109
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101377
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先日,伊豆半島の先端にある下田市で唯一,お産を扱っている開業医を訪ねた。月の分娩数が20~30件(そのうち帝王切開が約1割)あり,もちろんその他に健診や外来も行なっている。しかし,それを受け持つ医者はたった1人。10年ほど前は近くにまだいくつか分娩施設があったそうなのだが,だんだんと減っていき,今ではそこだけになってしまった。そのため代わりになってくれる人がおらず,24時間365日,常に待機状態。ここ数年はほとんど遠出もしていないそうだ。
助産師や看護師といったスタッフも十分足りているとは言えない。産科では必然的に入院が必要となるため,夜勤のスタッフを置いて24時間体制をとるなど,通常の診療所以上のコストや手間がかかる。80歳になる開業医の実母までが,助産師として分娩を取り扱っていた。
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