短期連載 現代アメリカ産婦人科事情・1【新連載】
産婦人科医への道
堀口 照貞
1,2,3
1コロンビア大学医学部産婦人科臨床産婦人科学
2コロンビア大学医学部附属病院
3セントリュークスルーズベルト病院
3St. Lukes-Roosevelt Hospital Center
pp.68-69
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206930
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●日本を離れて思うこと
日本の医学の優秀さを日頃自負していた私が21年前アメリカに来て,日本の医学や医療方法が正しく評価されていないだけでなく,全く問題にもされていないことを発見して驚き且つ憤慨したのは一昔前の話ですが,今日なお,英米医学界の欧米中心主義は,言葉と距離が大きな原因なのでしょうか,なお且つ厳存し,腫瘍関係,内視鏡,その他の分野で日本の医学が急速の進歩を遂げているにもかかわらず,基礎医学や少数の例外は別として,臨床医学に於ての日本の研究報告は,全くといって良いぐらい,欧米の臨床専門誌には紹介されておらず,紹介されても残念ながらほとんど異国の話として無視されるのが現状です。
アメリカの産婦人科医も,日本,ヨーロッパではかなり前から実用化されていたコルポスコピーや,ラミナリヤの有用性をここ数年から十余年位前から,やっと再検討,再導入しはじめたというのも,日米両国の医学界の異質性や,日本,米国の医師のフィロソフィーの差を示す一つの例だといえます。
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