新しい視点をさぐる 臨床検査のBlind Spots
CTスキャンニング
産婦人科医の立場から
高橋 康一
1
,
阿部 穣
1
Koich Takahashi
1
,
Yutaka Abe
1
1杏林大学医学部産科婦人科学教室
pp.279-282
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205811
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CT (Computed Tomography)は,コンピューター処理によるX線軸位断層法であり,本邦における急速な普及は目をみはらせるものがある。1972年,頭部専用のEMI-Originalが発表され,つづいて1974年にはACTA−0100が初の全身用機器として登場した1,2,3,4)。これらはいずれもpencil beamを用いた第1世代の機器であり,scantimeは5分近くも要し,臓器の運動などのため,腹部・骨盤内諸臓器の診断では必ずしも高い価値を有しているとはいいがたかった。しかし,その後fan beamの採用により,scan timeは20秒前後に短縮され,matrixの増加,演算方式の改良と相まって,画質は飛躍的に向上し,高い診断価値を有するに至っている。われわれの使用しているEMI−5005もこの第2世代に属する機器である。さらに第3世代と称する,scan timeが5秒以下の線源・検出器系の回転走査のみによる方式の機器も稼動を始めており,第4世代ともいうべき新しい機器の出現も報じられている5)。
CTの基本原理は,まずcollimateされたX線を線源の対側に位置した高感度検出器によって受け,このユニットが一定角度で,体軸に直角な直線的走査を行ない,X線が透過してくる組織の違いによるわずかなX線吸収率の差をとらえる。
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